こころの健康アラカルト

大きなショックが引き起こす心の病

震災などで被災された人に心配される「PTSD」についてお話ししましょう。
PTSDとは、想像を超えるような大きなショックが引き起こす「心的外傷後ストレス障害」の略称です。
どのような症状が見られるかというと、悪夢やフラッシュバックに悩まされます。また、多くの人が胃や頭に痛みを訴えるなど、「不安障害」に類似した症状の併発が見られます。約2割ほどの人には「抑うつ病」の症状が出ることもあります。
元気で健康な人でも、大きなショックや予期せぬ衝撃などによって誰にでも起こりえます。震災などで自宅や家族を失った方などは、「今まで真面目に一生懸命生活してきたのになぜ自分が・・・」と、自己の無力を思い知らされた絶望感などで引き起こされることが考えられます。
治療法は、薬物療法で不安を小さくしながら、根気よくカウンセリングなどを行って改善へと導いていきます。「普段の生活が全て破壊されてしまっている状態から、この先に平常な暮らしがあることを時間をかけて認識し、受け入れられるようにサポートしていきます。過去のトラウマなどが要因で発症する場合もあるので、気になる場合は専門医に相談してください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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