こころの健康アラカルト

食べ物の好き嫌いが多い

「食べ物の好き嫌いが多くて困っています。これは心の状態と関係あるのでしょうか。」こんな質問が。
物が見にくくなるなどの眼の異常や、低血圧による立ちくらみなど、栄養素の欠如による身体の異常があれば対応が必要ですが、単に好みの問題であれば概ね心配入りません。 例えば子どもは食べ物の好き嫌いがあるのが普通です。また、妊婦をはじめ、貧血や亜鉛不足だと味覚が変化し、好みに偏りが出る場合もあります。 心の病気との関連性で言えば、「摂食障害」があります。
この病気には、異常な食行動が見られるケースがあります。例えば、不食、極端な偏食、一気にむさぼるように食べる過食、また隠れ食いする盗み食いなど。
情緒面においても特徴があります。過食症状では強い後悔や抑うつ気分、情緒的な引きこもりといった心理的な苦痛が伴うケースも。一方、拒食症状ではその反対に全能感を抱くこともあります。
食べては吐くなどの症状をともなうこの病気は、他人には気づかれない場合が多いもの。ですので、質問のような悩みを持っている人が近くにいる場合、どのような症状なのか、詳細を確認することをお勧めします。極端にやせたり太ったりするようであれば、専門医の相談を受けたほうが良いと言えるでしょう。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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