横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.030 社会不安障害(その1)

全国の群馬県民の皆様、こんにちは。横浜院長の柏です。不安障害について連載していたのですが、いろいろ寄り道ばかりしてしまいました。さすがに年越しは気が引けますので今回と次回で完結させましょう。今回ご紹介するのは、社会不安障害です。
あれ、「社交不安障害」じゃないの?と気がつかれた方。さすがです。2008年の学会決定で、社会不安障害は社交不安障害と改名されています。「社会不安」という言葉が誤解を招くから、ということがその理由のようです。が・・・。皆さん、では「社交不安障害」という言葉でどんな病気かイメージできますか?私にはちょっと難しいですね。社交、っていうと社交ダンスとか、エリートサラリーマンの人脈作りみたいなニュアンスを感じてしまって、どうもこう、本来のイメージである対人恐怖を柱としたものとはちょっとずれていると感じてしまいます。先日、山田和夫先生もやはり「社会不安障害」がよいのでは、とおっしゃっているのを聞き、我が意を得たり、と思ったところでした。というわけで、あえて今回は「社会不安障害」をタイトルとしてみました。
そもそもここのところ、精神疾患の病名の変遷はすごいものがあります。私が研修医の頃から使ってる病名なんて、うつ病と不眠症、てんかんくらいじゃないでしょうか(うつ病だって、正しくは大うつ病エピソードになっちゃった)。これにはいくつかのパターンがあります。
(1) スティグマに関しての病名変更
 精神分裂病 → 統合失調症
 痴呆 → 認知症
 精神遅滞 → 知的障害
これらはおおむね妥当ですよね。最初は違和感が強かったですが、さすがに10年たつと慣れてしまうものですね。
(2) 診断基準変更に関する病名変更
 対人恐怖症 → 社会不安障害
 躁うつ病 → 双極性障害
 非定型精神病 → 統合失調感情障害
 神経症 → 不安障害などに再分類
これらはDSM, ICDなどの国際診断基準の導入に基づくものです。操作的診断基準の導入により、より正確・普遍的な診断に近づいたことは大きく評価できますが、必ずしも病因、メカニズムを反映していないという課題は残り、また森田神経質、非定型精神病といった日本固有の貴重な臨床知見から遠ざかるという問題もはらんでいます。なおこれに類するもので、微細脳損傷(MBD)→注意欠如多動性障害(ADHD)、のように、疾病概念自体の変遷によるものもあります(注:厳密には、MBDとADHDは同一のものではありません)。
(3) わかりにくさを要因とする病名変更
 社会不安障害 → 社交不安障害
 行為障害 → 素行障害
 人格障害 → パーソナリティ障害
今回はこれですね。パーソナリティ障害はいいと思うのですが、最初の二つはどうでしょうか。皆さんどう思われますか?
うーんまた寄り道してしまった。。。次回こそ社会不安障害そのものについて書きますね。

コメント

  1. まねきねこ より:

    私も、社交不安障害より、社会不安障害のほうが良いと思います。何か、しっくりします。それに、素行障害という呼び方も、変です。
     さて、科学に強い先生に質問です。私は冬になると静電気を強く帯電してしまい、まるで発電所のようです。まねきねこ一匹で即脱原発。一番下に木綿のTシャツ、次に木綿のポロシャツ、ウール100%のセーター(フリースやアクリル類は余計静電気を発生させると思うので、着ません)、ダウンコートの順に着ているのですが、どこかの着合わせが悪くて発電してしまうのですね。きっと、セーターとダウンコートの間が発生源なのですが、これをなにかするとおそらく帯電しないのではないかと思います。どうでしょうか?静電気を帯電しにくい対策を教えてください。
     ご自慢の「ぐんまちゃんカード」、是非アップしてください。

  2. 横浜院長 より:

    まねきねこさん
    一年間ご愛読ありがとうございました。また、ご賛同いただきありがとうございます。
    静電気はよくわからないですが、私も電気人間でして、毎日ビリビリ、夜鍵を開けるときなどいつも火花がスパークしております。先週のマブヤーでハブクラーゲンも電気クラゲ化しておりましたが、この際開き直ってビリビリ刺激のある生活もいいと思いませんか。
    参考→http://www.nikkei.com/article/DGXDZO19714410Q0A211C1W08101/
    ぐんまちゃんカードはiPhone上のアプリなので、ものは先日のリンク先と同じですよ。目指せ300点でまだ格闘中です。