こころの健康アラカルト

高齢の親が住む実家が物であふれる

「高齢の親が住む実家が、以前は片付いていたのに最近物であふれて散らかってきた」という声を聞くことがあります。高齢者と片付けについてお話ししましょう。
高齢者になると片付けられなくことはよくあります。一つは加齢による変化が考えられます。物忘れの頻度が増し物をしまうのを忘れていたり、体力の衰えにより労力がかけられない場合もあります。高いところに手が届かない、階段の上り下りが困難など生活空間が狭くなると、その分物があふれることになります。もう一つは世代間の違いです。戦時中など物がない時代を経てきた世代にとって、なかなか物が捨てられないという人も多いです。
心配なのは、どこに何があるか分からなくなる、通路や寝具の上にも物があふれる、ごみがゴミ箱に入っていない、冷蔵庫の中に腐ったものがそのまま入っていて異臭を放っている、浴室ににごったお湯が入れっぱなしなどの状態が見られると注意が必要です。 原因として考えられるのは、認知症や老年期のうつ病などの可能性もあります。まずは早めに相談してください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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