横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.127 君は「どこでもドア」をくぐるか

横浜院長の柏です。高校サッカー決勝戦、前橋育英残念でした。でも今年もぐんまは熱いですよ!さて、今回はまだ年の初めでもありますし、かわった趣向・・・思考実験をしてみることにしましょう。少し難しい話になりますがご容赦下さい。
仮面ライダードライブのベルトさんことクリム・スタインベルトは、ロイミュードの襲撃を予想し、自らの全意識と記憶をベルトに移植します。新たに作られたベルトは、クリムの全意識・記憶を持っています。また、ちょっと前ですがゴーバスターズの陣マサト先輩は、亜空間から転送されたデータ(アバター)として活躍していました。意識や記憶を全データ化することは可能なのか?理屈の上では、記憶はデータ化可能、でしょうか。膨大なビッグデータとなり、データは非線形でカオスな動きをすると考えられますが、理論的には可能・・・でしょうか(よくわかりませんが)。では、意識はどうでしょうか。ここで、意識のデータ化を考えた場合、カット&ペーストであれば(もとが消えて新しいものができれば)少なくとも外から見た分には、意識はつながっているように見えますね。しかし、コピー&ペーストだったら(もとも残って新しいものが複製されたら)どうでしょうか。同じ意識、記憶をもった人が二人いることになります。外から見ると同じ人が二人。しかし、当人からすると(当然ですが当人は前からいた方です)自分と同じ人間が出てきたという奇妙な状況なわけです。
ここに存在して、今考えている、この原稿を書いているこの私が唯一無二の私であるという認識、これが「自我」です。他の人間や自分以外の周囲と明確に区別される、自他の線の内側にいる唯一のもの、それが自我なのです。自我の観点から見れば、クリムはベルトに移植されたところで、そして陣先輩は転送されたところで、やはり別の自我と入れ替わっているものと思います。
ゴーバスターズの主要テーマでもあった「転送」ですが、SFではよく出てくるテーマでもあります。ウルトラセブンではプロテ星人の巻で、また最近ではベイマックスでも、巨大転送マシーンが出てきますね。No.123でご紹介したイアン・マルコムことジェフ・ゴールドブラムの代表作、ハエ男(ザ・フライ)は転送の際にハエが紛れ込んだことで人間とハエが混ざって転送されてしまう、というお話でしたね。そういえばゴーバスターズでも、メサイアと科学者達が混ざってエンターやエスケイプができたことになっていました。
SF界では、転送の理論は少なくとも2つあるようです。一つは物体を分子レベルにまで分解してほかの場所で組み立てるやり方。もう一つは、いわゆる「ワープ」。宇宙戦艦ヤマトで有名ですね。ワープとは、四次元空間を通過することにより、三次元空間を一瞬で飛び越えること、ですかね。わかりやすい比較として、二次元世界(平面)の住人は、平面上にある一点から離れた別の点へ一瞬で移動することはできません。しかし、われわれ三次元世界の人間は、その平面を折り曲げることによって(紙の上に2点を書き、その紙を丸めたり折り曲げたりしてその2点をくっつけることを想像して下さい)その2点をくっつけることができます。そうやって移動すれば、二次元世界の住人からすると瞬間移動に見えるわけです。これと同じことが、四次元世界の住人はわれわれ三次元の世界を折り曲げることによって可能・・・それがワープなわけです。
ワープであれば、四次元空間を通過するだけなので、自我の入れ替えは起こらないと思われます。これに対して、前者の分子レベルへの分解(ハエ男、陣先輩など)の場合は入れ替えが起こっている可能性が高いと考えます。
さて、以上のことをふまえて、今日のタイトルに戻りましょう。ご存じですね、ドラえもんの「どこでもドア」。目の前にこれがあったら、どこでも好きなところへ行けるとなったら、あなたはこのドアをくぐりますか。
私なら、どこでもドアの仕組みをきちんと調べて、四次元方式ならくぐり、分子分解方式ならくぐらない、とします。四次元ポケットを持っているドラえもんのことですから、四次元方式を使っていると思われますが、念には念を入れることが大切かと思います。
新年早々わかりにくい話で失礼しました。特撮SFファンの戯れ言とお聞き下さい。今日の一曲は、今ではもう懐かしい曲となりました、ゴーバスターズの初期オープニングです。私はいまだに大好きなんですよね。ではまた。

コメント

  1. いちご大福 より:

    …。(°_°)??
    3回読み返してやっとたぶんですが理解できた?かな?と思います。
    頭を使い疲れました。(;´Д`A
    今まではどこでもドアがあれば交通費は浮くし家から出る億劫さも、なくなるし…
    人に必要以上に会わずに済むからすごく欲しかったですが…
    考えてみると恐ろしいですね。
    四次元ワーフのSFホラー映画を思い出しました。
    私は…どちらのワープ機能でもやはり恐ろしくて使いたくないと思ってしまいました。
    不便でも自分を保てなくなるのは怖いですから…
    子供の頃は欲しかったのにいざ仕組みを考えると恐ろしいですね。汗
    それに…たとえ、同じ人間を作ったとしても自我はそれぞれあるように思います。
    私は…私…?だから同じ人間を作ったとしても…一個の個体にある自我は疾患などがない状態であればおそらく一つ…ですよね?
    頭であーでもないこーでもないと脳内会議があっても自我は一つ…なのでしょうか?
    もう頭がこんがらがってきました…(>_<)
    なんか哲学とか、科学、物理…色々混ざってそうです…
    二次元は裏切らないので好きですが…
    ↑すみません…逃げです。
    うーん…難しいです。

  2. まねきねこ より:

    データを残すことによって永遠の命を得ると言うネタはキアヌ・リーブス主演映画「JM」で見たのが初めてでした。ベルトさんを見てこの映画を思い出しました。
     私は白いライダーがどうにも気に入りません!泊君と霧子ちゃんの間に邪魔なものが入ったような感じも嫌なのです。泊君と霧子ちゃんの「友達以上・恋人未満」の微妙な関係が好きなので。白いライダーは、どうにも目障りだわと不満を夜まで持ち越していたら韓国史劇「奇皇后」でライバルの皇后がにっこりと「邪魔なものは毒を盛れ!」とのたもうたので、もう苦笑いしました。あの皇后はロイミュードのイケメン3人組と気が合いそうです。新しく出たロイミュードの悪女はいまいちインパクトに欠けるような気がします。やはり悪女役は壇蜜様にお願いしたいです。

  3. パパゲーナ より:

    ディープなカテゴリーの例えを用いられた、難しいお話しで、ワタクシには分かりませんでした(笑)
    分かるのはワタクシの従姉妹の母校、前橋育英高校のことだけでございました(^○^)
    ワタクシは見ておりませんが、NHKの大河ドラマの舞台が群馬のようですね。先日、所用で前橋に行きまして、県庁を立ち寄った折り、大盛り上がりの展示会が開催されておりましたヨ。
    緑と水の街前橋は、本当に美しいです。原島屋の焼き饅頭をぶら下げて帰ってきました(^○^)♪

  4. mos-mos より:

    後れ馳せながら柏先生、コメンターズの皆様
    明けましておめでとうこざいます。
    本年もよろしくお願い致します
    今回のお話、後半はわかりました…多分。
    要するに…
    1、何もかも総とっかえして生まれ変わる(分子レベル系)
    2、場所とか環境とかを変える(ワープ系)
    …で、私が追加で思いついたのが、
    3,あえてどこでもドアを使わない
    …ていうのはどうでしょう?
    ひとつは、筋金入りの機械音痴の私がちょいと見たところで、1なのなか 2なのか、わからないだろう…というのと、「本当は学校に行きたかったのに、しずかちゃんちのお風呂にいっちゃった」のようにもしかしたら行き先が間違っちゃったらこわいので。全然知らない目的地に着いちゃった…て私たちには慣れるのに時間が必要がかかりますしね。
    しずかちゃんちなら窓からお湯をかけられて終わりますが、うっかりジャイアンの家だったら目も当てられませんし笑
    私の場合は、ありがたいことにすこーーし落ち着いてきましたが、どん底のときは即答で「1!!」と言ってましたね、絶対。よくて2。全く気力がわかないし、自分が大嫌い~(≧Д≦)で泣いてましたから。
    今は…3かな。じぃっと考えて観察しつつ(ドアが壊れてないかとか)、「どこでもドアでどこに行きたいのか」決めていきたいと思います。行き先(どこに向かっていくのか)が決まって、ついでに実行に移れたら最高だなと思います。

  5. 横浜院長 より:

    いちご大福さん
    むむー、やはりちょっと難しかったですかね。すみません。
    >>二次元は裏切らないので好き
    私も二次元大好きですよ(^o^);;
    まねきねこさん
    私はマッハ好きですけどね−。あのわかりやすい設定。カッコつけまくりの登場のポーズ、セリフ。快傑スバットを思い出しますね。
    「ズバッと参上、ズバッと解決。人よんでさすらいのヒーロー、快傑ズバーーーット!」
    いやーやはりヒーローはこうでないとね。あ、私も場をかき乱され感があるのは一緒ですが。
    メディック、イケメン3人組から見るとたしかにキャラ負け感はありますね。がんばってほしいです。

  6. 横浜院長 より:

    パパゲーナさん
    なんと、大河ドラマぐんまなんですか?
    最近見てないので知りませんでした・・・。
    いやー今年もまたぐんまの年ですな(^o^)
    前橋、美しい街ですよね。東方の太田市民はなかなか行かないのですが。
    mos-mosさん
    見事です。私もそういう話にもっていけばよかったなぁ、と感心しています。
    1と2は、ニーバーの祈り(No.032)では「変えてみよう」
    3は「受け入れよう」ですね。無理に変えようとせず、現状を受け入れること。
    これも大切なことです。
    間もなく17年になる車にまだ乗ってる私が言うので間違いないっす(^o^)

  7. パパゲーナ より:

    県庁の旧庁舎の名残を残す棟では、大河の撮影も行なっているようで沢山の方が、見学に見えておりました。
    前橋は萩原朔太郎記念館や、文学館、朔太郎が詩った大渡橋もあります。群馬を訪れた草野新平が、群馬に惚れ込み、そのまま上毛新聞社に就職してしまったりと文壇の歴史にも小さからぬ痕跡を残した地ですね。小説 人生劇場で飛車角が服役していた刑務所も実は前橋刑務所でして、外観はまるで文化遺産かしら?と思われるような美しさでございます(笑)
    ワタクシも前橋に住みたいくらいなのですが、柏先生のクリニックが遠くなるから止めておきまス!