横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.159 休む。

横浜院長の柏です。今月はいろいろ用事が重なりすぎて、パンクしております(^_^;
さて、うつ病の治療論です。今日はその基本の「き」の話をしておきましょう。
うつ病がエネルギーの低下である以上、対応としてまず考えるべきは「休むこと」になります。十分な休息を取ることができるよう、周囲にも働きかけたり、必要であれば診断書を作成したりします。軽症であれば環境調整を行った上で仕事を続けながら治療を行う場合もありますが、中等症以上の場合には休むことが原則です。しかし、現実には仕事、立場、家庭などさまざまな理由でどうしても休めないということもあります。その場合には、ご家族、会社の方など、できるだけ多くの方に可能な限り病気のことを知っていただくこと、可能であればクリニックに一緒にご来院いただくことが望まれます。こうして治療の前半、急性期はとにかく休むこと。これが大原則です。
ただし、うつ病ではない場合、例えば適応障害水準でパーソナリティ傾向が密接に関連しているような場合には、休むことがかえってマイナスになることもあります。なので最初の診断がとても大切ですが、現実にはなかなか難しいこともあります。また、非定型うつ病や双極性障害の場合も、休みすぎるとかえって調子を崩す場合もあり、生活リズムの確立を優先する場合もあります。
しっかりと休み、薬物療法をきちんと行うことができればエネルギーは徐々に回復に向かいます。エネルギーがしっかりとたまってきたら、今度は元の生活に戻していくためのリハビリテーションの段階となります。この段階では、生活リズムを整えること、日中起きて過ごすこと、適度な運動を取り入れることが重要となります。この、前半から後半への移行は早すぎても遅すぎてもだめですが、治療がうまく流れている場合には、ご本人が自然に動けるようになるものです。
今日の一曲はドップラー作曲、ハンガリー田園幻想曲です。ドップラーと言っても、ドップラー効果やドップラー総統(こっちを知ってる人は私のお仲間。ダンガードAは不朽の名作!)ではありません。ヴィヴァルディの四季同様、日本でなぜか人気の曲とのこと。哀愁の雰囲気が合うのでしょうね。

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