こころの病豆知識

Q041. 解離性障害はどんな病気ですか?

従来はヒステリーと呼ばれていたものです。
解離とは「過去の記憶、同一性と直接的感覚の意識、そして身体運動のコントロールの間の正常な統合が一部、または完全に失われた状態」(ICD-10)とされます。
解離として現れる状態には、いくつかのパターンがあります。まずは忘れっぽくなることです。忘れることは誰にでもありますが、あまりに忘れっぽくなり、日常生活に支障をきたすことが出てきます。また、自分がどういう人間であるのか、子供の頃から歴史的にたどって、どういう生活を送ってきたのか、振り返ることが難しくなります。行動も一貫せず、他人にはその場その場で性格が異なっているような印象を与えます。
この状態が進むと「解離性同一性障害(多重人格)」といわれたりします。そして「離人症」といわれる状態があります。これは、現在自分が体験していることを活き活きと感じられなくなります。また他人と話をしても生気を感じられなかったり、フィルターを通して物を見ているように感じられたりします。こうした状態のうちどの症状が多く見られるかは、人によって異なります。