こころの健康アラカルト

主役の座、降りる時の喪失感にご用心

現役でバリバリ活躍している人でも、いつかは主役の座を降りなければならない時が来ます。一昔前には「ひしゃく渡し」といって、家事をお嫁さんに引き渡す慣わしもあったようですが、今ならさしずめ退職や引退ということになり、悲哀を味わうのは主に男性のようです。
そんな時注意すべきは役割の喪失による「こころ」の危機。部下を大勢使っていた人がただの人になると、ギャップが大きい分だけ喪失感も深まります。その結果、自分は社会に不要だという無価値観に囚われたり、家に閉じこもったりして、うつ病やアルコール依存症、認知症等を発症する恐れが高くなるんです。
そうならないよう、奥さんは自治会や家事への参加等、極力ご主人が社会との関わりを持てる様な配慮をしてあげて下さい。そして仮に今、ご主人にうつ症状が見られるようなら、早目に専門医にご相談下さいね。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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