福祉用語の基礎知識

生活習慣病

生活習慣病は、糖尿病(1型を除く)、脂質異常症(家族性のものを除く)、高血圧、高尿酸血症等の生活習慣が発症原因に深く関与していると考えられている疾患の総称であります。 このような疾患と肥満を複合する状態を、医学的にメタボリックシンドロームと言います。また、がん、脳血管疾患、心臓病の3大死因も生活習慣との関わりが強く、肥満はこれらの疾患になるリスクを高めると言われています。
食習慣に関する生活習慣病
 インスリン非依存型糖尿病・肥満・高脂血症(家族性のものを除く)・大腸がん(家族性の
ものを除く)・歯周病 など
運動習慣に関する生活習慣病
 インスリン非依存型糖尿病・肥満・高脂血症(家族性のものを除く)・高血圧症 など
喫煙に関する生活習慣病
 肺偏平上皮ガン・循環器病(先天性のものを除く)・慢性気管支炎・肺気腫・歯周病 など
10大死因(18年 人口動態統計)
(1)悪性新生物(がん) 30.4% (2)心疾患16.0% (3)脳血管疾患11.6% (4)肺炎9.9% (5)不慮の事故3.5% (6)自殺2.8% (7)老衰2.6% (8)腎不全2.0% (9)肝疾患1.5% (10)慢性閉塞性肺疾患1.3%
2006年(平成18年)の死因の割合をみると、がん、心臓病、脳血管疾患の3大死因が58.2%を占めて心臓病と脳血管疾患のような主要な死因の下地になる病気は、糖尿病・脂質異常症・高血圧・高尿酸血症であります。また、喫煙は上位4死因のすべては危険因子であり、「予防可能な最大の死因」とされています。 また、生活習慣病の推定有病者数(平成14年)は、高血圧症(約3100万人)、高脂血症(約3000万人)、糖尿病(約740万人)とされ、人口にほぼ半分にあたる、47%がこの3つのいずれかに該当するとされています。
対策
日本で発症している重大な病気であり、かつて成人病と呼ばれたように20代から30代の人々の間で多く、食生活の欧米化や運動不足、タバコの煙が強く関連しています。 食生活の変化として、炭水化物が減少し、それに伴い動物性食品や脂っこく、甘いお菓子や甘い飲料の消費量の増加が原因とされています。また、塩分の摂取過剰、野菜の摂取不足等も原因とされています。 食生活はがん発症原因の30%に関わっているとする報告もあり、職の欧米化との関連性が強いのは乳房や前立腺や大腸のがんであると考えられています。タバコもがん発症原因の30%に関わっているとせれ、専ら肺がんに関連しているが口腔や尿路のがんの主要な原因でもあります。 また、菜食者はがん、2型糖尿病、肥満、高血圧、心臓病といった主要な死因に関わるような生活習慣病のリスクが減り、認知症のリスクが減るとしています。
死亡のリスク
スウェーデンにおける32年の追跡調査によれば、生活習慣病による全死亡のリスクは
(1)喫煙…1.92倍 (2)糖尿病1.64倍 (3)高血圧1.55倍 (4)メタボリック症候群1.36倍
(5)高コレステロール血症1.10倍とされています。