こころの健康アラカルト

アスペルガー症候群(2)

前号ではアスペルガー症候群と呼ばれる人たちの症状についてお話をしました。
「空気がよめないと」と、とられてしまう社会性の問題についてお話ししましたが、その他にも様々な症状が見られます。「想像力の欠如」というのもそのひとつです。
相手の行動の背景にある心理的過程を想像できず、たとえば、相手が語気を荒げて言い返してきたときに、自分の言ったことで腹を立てたのだな、とは理解できません。神経系が十分発達せずに、感受性が欠如していると考えられています。
また「普通の会話」ができない、とも言われる事があります。言語的に主語・述語のある文を整然と話しているのに、会話のキャッチボールが基本的にできません。枝葉末節にとらわれていたり、議論の焦点が見えていなかったり、身振り手振りを理解しない、など一方的になりやすくとてもぎこちなく感じます。会話にある言外の文脈を読み違えることが多いためです。
アスペルガー症候群では・・・?と周りが気づくきっかけはといえば、幼少期にバイバイを逆さまにする、ミニカーを車として転がして遊ばず、ポーンと投げる、ごっこ遊びができないなどで気づかれることがあります。ただ、幼少期は普通に遊んでいてその後コミュニケーションの障害が際立って気づかれるケースもあり、一概には言えません。症候群と言われる由縁ですね。
この記事はこちらに続きます。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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