こころの健康アラカルト

「物を片付けられない」原因は?

この記事はこちらからの続きです
「いつも物が散らかってしまう」「物を片付けられない」という人も多いのでは。
前回はゴミをため込むケースを話しましたが、過度に片付けができない場合も、背景に心の病があるかもしれません。 心の病がある場合とはどんな場合でしょうか。片付けることにはエネルギーが必要です。また、「料理や洗濯は好きなのに片付けは苦手」という人もいます。うつ病や不安障害、適応障害、双極性障害、統合失調症などの抑うつ状態では苦手なことが強調されるため、普段はできていた片付けができなくなることが多く見られます。
そのほかに原因として考えられるのは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の不注意優勢型(ADD)の場合も考えられます。片付けをしているうちにほかのことに気を取られて、物が山積みされているのに放置してしまいます。
どちらが原因であるか見分けるポイントは、気分の落ち込みや、体にはほかの症状がなく、不注意によるミスが目立つ場合はADDの可能性が高くなります。また、ADHDだけでなく、二次障害としてうつ病を合併している人もいます。背景疾患によって対応や治療法も異なるため、気になる場合は早めに相談をしてください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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