横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.091  開院5周年

横浜院長の柏です。おかげさまで、本日2014年4月1日をもちまして、ハートクリニック横浜は開院5周年を迎えることができました。これまでご来院いただいた方々にこの場を借りて感謝したいと思います。今後とも当院をどうぞよろしくお願いいたします。
開院当初は1診体制、診察室2つで出発しました。現在の3診およびその前の待合スペースあたりがグループルームで、そこで集団プログラムを行っていましたね。その後改装をへて現在の形に落ち着いています。私を含めて医師3名でスタートしましたが、おかげさまで3名とも無事6年目を迎えることになりました。現在は、医師6名体制で、3つの診察室で診療を行っております。
開院前は、どのような方々に来ていただけるのかわからなかったところもあるのですが、いざ開院してみると現代の都市住民の抱える問題の姿が徐々に見えてきました。何と言っても横浜は日本最大の政令指定都市です。そのど真ん中にある当院で垣間見えるものは、ある意味わが国の都市住民の抱える問題の縮図とも言えるでしょう。様々な問題の中で、我々がとくに注目したのが次の2つです。
まず一つ目は、休職および復職に関する問題です。都市型クリニックの特性として、当院も会社員、勤労者の方が大勢通院されています。うつ病などにより消耗が激しく業務遂行に支障が大きく、継続することで病気の悪化が予想される場合、休職をお勧めし診断書をお出しすることになりますが、休職と治療により家では普通に過ごせるまでに回復しても、いざ復職となるとそれに耐えられない方は少なくありません。そのために我々が開院2年目の秋から始めたのが、うつ病の方のための復職支援プログラム(精神科ショートケア)です。これまでに多くの卒業生を送り出し、皆さんの会社復帰を支えてきた貴重なプログラムです。明日から、第11期の皆さんと新たなスタートとなります。
もう一つは、成人発達障害に関わる問題です。当院に赴任して一番驚いたことは、この成人発達障害の方々と関わる機会の激増でした。私自身、横浜で仕事を始めるまでは発達障害の専門家でも児童精神科医でもない一介の精神科医でした。研修医として過ごした東大病院で研修プログラムに小児・児童精神医学があり、自閉症、アスペルガー障害などの方々と接する機会があった、というアドバンテージはあるものの、その後の職場では発達障害についてあまりふれることもありませんでした。しかし、クリニックの外来でうつ病などとして治療している方の一部にこうした特性が見られ、それを考えずには治療に困難をきたすことへの気づきがあり、もう一方で横浜市発達障害者支援センターやその他地域の福祉関連機関と連携をはかる中で、発達障害の問題が大きくクロースアップされてきたことがありました。児童精神科医として発達障害を極めている大学同期の本田秀夫先生や、かつての恩師の加藤進昌先生たちの教えを乞い、外来で多くの成人発達障害を抱える方々と接する中で、自分なりに診療のスタイルを作り上げてきました。その中で新たな試みとして開院4年目の冬に開始したのが、成人発達障害者のための精神科ショートケア、通称サタデークラブです。現在、第3期の皆さんとプログラムを進行中です。
発達障害についてさらに述べますと、明日4月2日は国連の定めた世界自閉症啓発デーです。それに合わせて、4月2日〜8日は発達障害啓発週間となっています。4月2日には、世界、日本各地でブルーライトアップが行われます。乳がん啓発のピンクリボン活動みたいなものですね。東京タワーもブルーになるようですよ。
最後に、この5年間我々医師を支えてくれたクリニックのスタッフ一同・・・受付、看護師、心理士、ソーシャルワーカー、その他の皆さんにもこの場を借りて感謝の言葉を贈りたいと思います。これからも各スタッフで力を合わせ、よりよいクリニックへと進歩を続けていきたいと思っております。

コメント

  1. 匿名 より:

    医師の先生方と、スタッフの方々と、そして、いつもお世話になっている私達と、でしょ。(^ ^)
    これからもよろしくお願いします。

  2. mos-mos より:

    開院5周年おめでとうございます。
    未だに良かったり悪かったりの繰り返しねな私ですが、いまやかけがえのない唯一の甘えられる(つまり自分を出せるどうせだからいう意味で)場所となっています。
    今後ともよろしくお願いします。

  3. まねきねこ より:

    開院5周年ですか。その間に大震災があったり、思えば
    いろいろありましたね。おっしゃるとおり、横浜は大都市である分、
    多くの人々の様々な心の問題を抱えていると思います。
    これからもどうぞよろしくお願いします。
    ハートクリニック横浜院と柏先生のご活躍をお祈りいたします。

  4. 隊長 より:

    5周年ですか、おめでとうございます。
    デイケアできないかな~、なんて思ってます。
    理事長の湘南でのご活躍、すごいものがありますね。
    横浜でもアクションが欲しいですね。
    これからもよろしくお願いします。

  5. 横浜院長 より:

    みなさま
    ご祝辞ありがとうございます。
    これからの5年間が、皆様にとって良き5年間でありますように。
    Anonymousさん
    はい、いつもお世話になっているみなさんへの御礼は、大切なので一番文頭に書かせていただきました。なもんで文末の御礼はスタッフだけにしたのですが、やはり最後の方が印象に残っちゃいますね。。すみません。

  6. 匿名 より:

    そうではなくて、これからも私たちも含めたみんなで、一緒に今まで以上に素晴らしいクリニックをつくっていきましょう、て意味なんです。(^o^)
    誤解を招く書き方をしてゴメンナサイ。
    いつも上手に気持ちが伝えられないです。(~_~;)すみません。

  7. 横浜院長 より:

    Anonymousさん
    大丈夫ですよ。一緒に頑張りましょう。よろしくお願いいたします。

  8. パパゲーナ より:

    遅ればせながら、開院五周年の佳節、本当におめでとうございます。
    思えば、精神疾患とは全く縁のなかった私が、ライフイベントでの大きなトラブルを抱え貴院の開院と時をほぼ時を同じくして、ウツ病に。
    当初から院長先生の診察を受けることのできた幸運は計り知れません。先生の、物事や患者の抱えている問題の本質を見抜かれる鋭いお力に、どれほど助けられて来たか分かりません。
    医学などには全く縁のない私が、失礼を承知の上で、尚、言わせていただくことお許しいただけるとすれば、院長先生には、正に鍛え抜かれた臨床家のとしてのお力をまざまざと拝見する思いです。
    また、PSWの先生、いつも濃やかな心配りと笑顔を絶やす事のない受付の皆さん。親切なナースの皆さんと、本当に患者の思いでいっぱいです。
    意外性に満ちたご趣味も含め、密かに私淑する柏先生(^^)は元より、クリニックのスタッフのみなさま方、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。