横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.095 摂食障害2 過食症

横浜院長の柏です。いよいよGWですが、皆様いかがお過ごしですか。ご存じのように当院はGWも通常運行ですので、今のうちに家族サービスをしなくてはなりません。今日は映画館へ、二度目のFROZEN(アナと雪の女王)に行きました。今度は字幕バージョン。日本語版も素晴らしいけど、やはり原語の方がしっくり来ます。
二度目となると、最初の”Do you want to build a snowman?”のところから涙なしでは見られませんね。英語バージョンでどうぞ。


hitori95-a.jpg映画の後は、マクドナルドでゼットンかキングジョーを狙って息子にハッピーセットを買わせ・・・うおっと、買いましたが、ウルトラマンギンガ・・・撃沈(T_T) 今にして思うと私もハッピーセットにするべきだったか・・・(悩)。では問題です。この写真はどこで撮ったでしょう?
さて、摂食障害のお話を続けましょう。前回は拒食症(神経性食思不振症)の話をしました。今日は過食症(神経性大食症)です。拒食と過食と言うと、丸っきり逆の病気を想像される方もあるでしょう。実は・・・同じ病気なのです。診断基準を比べていただくとわかる通り、いずれも肥満恐怖とボディ・イメージの障害という摂食障害の中核症状がそろっています。拒食症はBMI 17.5というやせ、およびそれに伴う無月経だけが過食症との違いで、本質は同じです。実際には拒食症と過食症を行ったり来たりする方も多く、この二つの病気を分ける意味はあまりありません。
過食症の過食には嘔吐、下剤乱用などの代償行為(過食を埋め合わせる行為)が伴います。体重が増えることが極度に怖い方々ですからある意味当然の成り行きとも言えます。一般に「過食嘔吐」とまとめて表現されるのはそういうことです。
さて、皆さんは「過食」と言われてイメージがわくでしょうか。これは人によってさまざまではあります。主食に走る人、間食・おやつ系に走る人。例えば、菓子パン5個とラーメン3杯、チョコ2枚くらいは簡単に平らげてしまい、トイレに直行しのどに指をつっこんで吐く流れとなります。コンビニで数千円くらいは簡単に使ってしまいます。ある意味お金のかかる病気です。
過食自体、当然身体には負担となりますが、それ以上に負担となるのが嘔吐です。消化管は、当たり前ですが本来上から下へ流れるようにできています。嘔吐とはそれを逆流させることですから、当然無理がかかります。一番心配されるのは歯です。歯の表面のエナメル質は酸に弱く、逆流してくる胃液はpH=2という強酸ですからひとたまりもありません。ボロボロになってしまいます。嘔吐のあとは、すぐに繰り返し口の中をゆすぎ、歯をよく磨くことが肝心です。さらには逆流性食道炎も起こしてきます。トイレに強酸のにおいが残り、周囲に気づかれたり訝しがられることもあります。一部の方で、排出行為として嘔吐の代わりに下剤などの乱用が見られます(どちらも見られるかたもあります)。市販の下剤などを大量に摂取し、慢性的に下痢状態にしてしまうのです。これも当然、身体によいわけがありません。
ちょっとややこしいのが、この「過食嘔吐」などの排出行為は、過食症だけではなく拒食症にも見られるのです。つまり、過食嘔吐をしていてもBMI≦17.5で無月経があれば、定義上は過食症ではなく拒食症になるのです。このように過食嘔吐などの排出行為を伴う拒食症を「むちゃ食い・排出型」、それが見られずひたすら摂食量を落としていくタイプを「制限型」と呼んで区別します。どうにもわかりにくくなってきましたね。これを整理するには、拒食症・過食症という区別ではなく、症状レベルで「拒食の成分」「過食の成分」に分けて考えることが大切です。次回、この点についてお話しします。

コメント

  1. 摂食障害の娘を持つ母 より:

    どなたがおっしゃったのかわかりませんが 「摂食障害は自分探しの旅」といわれますけれど まさにその通りですよね。
    命懸けの旅ですね。
    伴走して頂くのがお医者であり 家族ですね。
    「アナ雪」リピーターが多いと聞きますが 先生親子もですね!
    会場が歌で盛上るとのことですが 先生も童心に帰って歌われるんですか?
    わたしも主題歌を聴くと泣けてきますが 家族会のお友だちも感慨無量になるとおっしゃっていて 二人で盛り上がりました。(^-^)
    今回載せて頂いたのは姉妹での葛藤の部分でしょうか?
    それから ウルトラマン?の撮影現場は 港の見える丘公園?

  2. まねきねこ より:

    デパスのお話、ありがとうございました。GW、我が家は遅ればせながら「アナ雪」観に行きます。私は「テルマエ・ロマエⅡ」も観たいのですが、旦那はつまらないかもしれないとゴネでいます。やれやれ。
     過食症の心理的症状とはだいぶ違うと思いますが、私は過去何回か、吐くまで食べてしまった経験があります。旅行先で全部食べないと損だと、無理やり食べたら吐いて下痢までしてしまったという単なる食べ過ぎなのですが、中途半端な食べ過ぎよりなら、いっそ吐くまで食べてしまったほうが良いのではないかと思ってしまう人間の心理的な可能性を、ふと、考えてしまいました。

  3. 横浜院長 より:

    お母さん
    たしか映画館で「みんなで歌うバージョン」というのもあるとか。
    私はそこまでではないので、黙ってうるうるして観賞です(^_^;
    港の見える丘公園・・・惜しいがブブーです。ヒント:映画は桜木町で見ました。
    まねきねこさん
    テルマエ。F先生のお気に入りですねぇ。私もⅡ見たいです!
    私も学生時代はみんなで(野郎ばっかり)ケーキ食べ放題に行き、16個食べて優勝しましたねぇ(^_^; 今じゃ血糖値がこわくてできませんねぇ・・・。

  4. 風神雷神 より:

    臨港パークですか?それか赤レンガ倉庫の後ろの公園でしょ。(^_^)
    先生はクールビューティのエルサ派ですか?それとも元気で愛らしいアナ派かな?

  5. 風神雷神 より:

    実は、私もその日「アナと雪の女王」を桜木町のブルグ13に観に行ってたんですよ。ふっふっふ〜。

  6. 横浜院長 より:

    風神雷神さん
    臨港パーク大正解です!そして、ブルク13・・・ギクッ。お会いしてたかもですね。
    ブルク→ランドマークのマックでテイクアウト→臨港パークでお昼でございました。

  7. 横浜院長 より:

    追伸
    クールビューティ派でございます(*^^*)

  8. 匿名 より:

    先生はいつまでも少年の心を持ったロマンチストなんですね。
    うらやましい限りです。

  9. 横浜院長 より:

    Anonymousさん
    なんか自分の年齢まったく信じられないんですよね・・・。
    いまだに世界征服の野望は捨てておりません(^_^;