横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.172 うつ病の小精神療法(その2)

hitorigoto-172a.jpg前々回にセイザーXのことを書きまして、懐かしくなって調べ始めたところ、ビートルセイザーのお兄ちゃんがオーズのアンクと同じ俳優さんとはじめて気づき「ほぉ」と一人うなっている、特撮マニアの横浜院長・柏です。
さて、No.169でご紹介しました、笠原先生の7つの小精神療法の話に戻りましょう。どれもとても大事な内容ですので、一つずつ見ていきましょう。
1) 治療の対象となる「不調」であって単なる「気の緩み」や「怠け」ではない
治療はまず、自分が病気であることを認めることから始まります。それは、「病者の役割」を引き受けるためにも大切なことですね。うつ病をはじめ、精神科の病気は外から見てわかりにくいものです。今週も、久々に同級生に会ったときに療養中だと伝えたら「病気じゃない、医者にだまされている、気の持ちようだから働いた方がいい」などとお説教されてしまった方がいらっしゃいましたね・・・。まだまだ世間の理解も十分とは言えないようです。
動きたくても動けない、それがうつ病です。ご本人は、病気と言われるよりも怠けと言われる方がつらいはずです。まずはご本人が、そして周りの人たちが治療が必要であることをきちんと受け止めること。とても大切だけど、とても難しいことかも知れませんね。
2) 早い時期に心理的休息をとる方が立ち直りやすい
うつ病の本質がエネルギーの低下がある以上、休息は不可欠です。7)の薬物療法とともに治療の柱となります。ただここで、「心理的」休息ということが大切です。ただベッドに寝ていればいいというわけではない。本来は、うつ病であれば消耗の元となっている環境から離れたほうがよいことが多いのです。ストレスケア病棟への入院もよい方法です。入院というと重症、と思われるかも知れませんが、軽症〜中等症でも環境にエネルギーを吸い取られる状況が続く限り、いくら治療をしてもエネルギー低下が食い止められないこともあります。その場合は、軽症であっても入院の方がよいこともあるのです。(参考:No.120など)
3) 予想される治癒の時点を告げる 短くても3ヶ月、平均6ヶ月はかかる
はじめてうつ病で受診される方は、このあと自分がどうなるのか、不安でいっぱいだと思います。どんな病気でも、今後の見通しが知りたいところですよね。No.102でもお話しした通り、うつ病はこころの骨折。骨折と同じような時間経過をたどります。骨がとりあえずくっつく・・・とりあえず症状がおさまるのに3ヶ月。リハビリをして、元通り多少無理をしても大丈夫になるには1年はみておく必要があります。初回エピソードの場合、1年の時点ではかなりお元気になっている方が多いですが、再燃再発の場合、より時間をかけてじっくり治療していく必要があります。
4)以降については、次回以降にいたしましょう。
では今日の一曲。またまた、CMで私的に懐かしい曲をやっているのでご紹介しましょう。トヨタクラウンのCMで流れているのがこれです。


“Hawaii Five-O”なるアメリカのテレビドラマのテーマ曲だと知ったのは実は今日でして、わが家的にはこの曲は、かつてアメリカ・サンディエゴのシーワールドで行われていた、アシカとカワウソとセイウチのショーでかかっていた曲なのです。数年前に再訪した時にはショーがまるで変わっちゃっててガッカリだったのですが(その点、ユニバーサルスタジオハリウッドのウォーターワールドのショーはまるで変わってなくて懐かしかったです)、それよりも一番のウリのシャチのショーが近々なくなるのが痛いですね。動物愛護運動の力がついにここまで来たか、という感じでして、そのうちシーパラやズーラシアからも動物がいなくなるのでしょうか。いろいろ考えさせられます。ではまた。

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