横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.175 一日15分、自然に触れる

横浜院長の柏です。皆さん、今年の桜、ご覧になりましたか。外に出ていない、まだ今年は桜を見ていない、という方。桜の花を見られるのは一年でもこの一週間だけです。ぜひ思い切って外へ出てみましょうね。
さて、4月は進学進級の月ですね。私の時は、大学3年の春から医学部の授業が始まったのですが、ご想像どおり、まず最初が解剖学なんですね。当時東大の解剖は3つ教室がありまして、弱冠30代で凱旋帰国した廣川教授がちょうど着任され、電子顕微鏡に分子生物学を駆使した最先端基礎医学の風を吹かせようというところでした。そんな中、あとのお二人の解剖学教授が山内昭雄先生と養老孟司先生でした。今や著書「バカの壁」のバカ売れや、虫博士として全国的に有名となられた養老先生ですが、当時は講義も意味不明でして(失礼)、最近テレビで拝見すると「いつの間にこんなにしゃべりが上手になったの?」というのが元教え子の感想であります(^_^;。でも天の邪鬼な私は、そんな意味不明の養老先生の講義が大好きでした。「中枢は末梢の奴隷である」という名言は、同じ解剖学で、惜しくも亡くなられた三木茂夫先生「個体発生は系統発生を繰り返す」という言葉とともに、今でも私の医学者としての核となっているのです。養老先生はいつでも稀代の読書家でして、本郷三丁目の駅から大学までの道でも本を読みながら歩いているのを、私も目撃しております。
そんな大好きな養老先生が、こんなことをおっしゃっています。
「一日に一回、15分でいいから、人間がつくっていないモノを眺めるようにしている」これまた名言ですね。自然とは何か。養老先生は「人間がつくったものでないもの」と定義しています。人間は自然を離れて生きることはできません。「人間のことで頭がいっぱいで、花鳥風月がない」その通りですね。クリニックにいらっしゃる皆さんの悩みの源泉、それはほとんどが「人間のこと」です。人間は自然の一部に過ぎません。人間のことを一度横に置いて、花鳥風月を愛でて(めでて)みる。桜を愛でてみる。大自然の中に自分を置いて、自然の中での自分の位置を確かめる。日常的にそういう時間を取れれば、いろいろ変わってくるように思います。
春ですので、今日の一曲はベートーヴェンのヴァイオリンソナタ「春」にしましょう。東大の精神医学教室は楽器弾きの先生も多く、H先生のヴァイオリンと私のピアノで演奏させていただいた思い出の曲でもあります。クレーメルとアルゲリッチ、来日時のライブ演奏でどうぞ。


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コメント

  1. 伊藤佳子 より:

    先生凄い〜この曲弾かれたんですね凄すぎます❗️
    十数年間前にアルゲリッチが鎌倉芸術館に来たんですが余りの高い値段に諦めましたσ^_^;
    アルゲリッチは正統派なので聞いてて安心できます❤️指が写ってもいい感じで
    素敵な曲をありがとうございました⭐️
    お花見は行きました 横浜の三ツ池公園です簡単なお弁当を作って行きました
    やっぱり桜はいいですね❤️

  2. 横浜院長 より:

    伊藤さん
    コメントありがとうございます。
    いやぁ、昔はいろいろ弾いてましたね。今は厳しいなぁ。
    お花見行かれたんですね。三ツ池公園、他の方も行かれてよかったとおっしゃってましたね。
    ちょっと遠いけど、来年は行ってみたいですね。