横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.047 気分変動その2

hitori47-a.jpg横浜院長の柏です。土曜日の研究会のため、神戸に来ていました。この文章は帰りの新幹線の中で書いています。

hitori47-b.jpgハマっ子としては、神戸はどこか落ち着く街ですね。今日は朝から北野をぶらつき、昼の新幹線で横浜へ戻ります。朝早すぎてお気に入りのにしむら珈琲が開店前だったため、スタバ北野異人館店で一服しました。異人館をそのまま使っているスタバで、いい感じでしたね。横浜にも欲しいところです。さて本題です。

hitori47-c.jpg前回は、うつから気分変調症に至るうつ病スペクトラムを図を用いてご説明しました。基本になる図がこれですね。気分の低下を示しています。すべての図で、最初(左端)を正常気分とします。
今回は、気分が「浮く」方向、つまり躁状態についてお話ししましょう。

hitori47-d.jpg先ほどの図をY軸に沿って反転したものがこれですね。この気分の上昇が躁病エピソードを表します。躁病エピソードとは、DSM-IV-TRではリンク先のような定義をしています。詳しい話は次回以降にしましょう。要するに「手のつけられない異常なハイテンション」というほどの高い状態です。
hitori47-e.jpgこれは軽躁病エピソードを表します。点線(躁病エピソード)までの高さはありません。躁病エピソードのように誰から見てもおかしい、ということはないものの、やはりハイテンションで心配な状態にあります。
実際の経過は、このようにぽんと1回だけ躁状態を呈する、ということは滅多にありません。
hitori47-f.jpgこの図のように、躁状態が落ち着いたら逆にうつ状態が続いたり、
hitori47-g.jpgうつ病として加療をしているうちに躁状態をきたしたり、という方が一般的です。このように、躁とうつには縦断的経過に大きな違いが見られます。
うつには単一エピソード(1回だけのエピソード)はよく見られますが、躁の場合単一エピソード、すなわちいきなり躁状態となり、治ったらあとはずっと問題なく経過、ということはほとんどありません。四半世紀精神科医をやっていて、経験したのは1人か2人でしょうか。だからこそ、診断基準では「大うつ病」に対して「躁病」ではなく「双極性障害」という言葉を使うのです。
双極性障害の診療は、この「極」の問題だけを見るだけでは不十分であり、縦断的経過、すなわち「病相」をきちんと捉え、予防していくという観点が一番大切なのです。次回は図式シリーズ第3弾として気分変動の特殊な場合についてお話ししたのち、双極性障害のお話に入っていくことにします。

コメント

  1. 隊長 より:

    神戸、一回は行ってみたいですね、川澄選手を見に。
    僕も双極性と診断されました。
    今、悲しいことがあり、鬱がかなりひどい状態で来ています。
    躁になると、お金を使いたくなるので要注意ですね。

  2. まねきねこ より:

    私も双極性の可能性があります。ただ、経験者から見ると、私は違うみたいなのですが。外見はちょっと元気がよくなったり、活動的になるくらいに見えるそうですが、家族はまた違った見解が。
    どくとるマンボウ先生が双極性だったことは有名らしいのですが、私はお亡くなりになった時に知りました。ドラマを観て、周りの人たちは大変だったけれど、愛されていたところが、マンボウ先生の仁徳かなと思いました。

  3. 横浜院長 より:

    お二人様、毎度コメントありがとうございます。
    うん?もしかすると、書きこみ常連の方の双極率が高かったりしますかね?
    むむむ。。。
    今回は脱線しましたが、近々双極性障害についていろいろ書きますのでお楽しみに!です。

  4. 双極性障害で先生に診てもらっています。
    FACEBOOKでも、病気について知りたい患者の方々が沢山集まっています。
    是非、双極性障害についての掲載を宜しくお願いいたします。

  5. 横浜院長 より:

    ピーコちゃん
    書きこみありがとうございます。やはりここの双極率高いかな・・・(^_^;
    考えがあって、うつ病より先に双極性障害についてふれるつもりです。
    が、私自身気分で書いてますので(^_^;脱線している間はしばらくお待ち下さいね。
    気長に待つのも治療のうちでございます(!?)