横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.240 最初と最後

hitorigoto-240a.png横浜院長の柏です。NHKスペシャルでIoTの危険性のことをやっていました。全地球上の家庭にある家電製品などが一斉にサイバー攻撃に使われる、といった内容でした。ワタクシ的には、子どもに配ったおもちゃが兵器として人々を襲う、というチブル星人(ウルトラセブン第9話)の計画を連想し、思い出しておりました。当時は、IQ=10,000(うーんさすがに負けるな)の天才宇宙人にしてはショボい計画だと思ったけど、こうしてみるとさすが天才、先見の明があったのかなー、とか考えてしまいますね(笑)。
さて、統合失調症の話でしたね。前回、幻覚妄想など、目につく症状としての陽性症状と、生き生きとした感情が失われる陰性症状の話をしましたね。では、これらはどういう順番で現れると思われますか?統合失調症が慢性疾患ということを考えると、最初に激しい陽性症状の時期があって、そのあとに陰性症状の時期が続く、陽性→陰性という順番を想像される方が多いんじゃないでしょうか。これは、半分当たっていて半分違っているんですね。陽性症状が暴れる時期にはエネルギーの消耗が激しく、そのあとに陰性症状主体の虚脱期がやってくることはよく見られます。活力や自発性が失われ、ぼんやりと見える時期ですね。これは他の病気であっても、躁状態のあとにはうつ状態が、パニック発作が頻発したあとには広場恐怖が強く、ひきこもる時期があったりするなど、よく見られることです。高いエネルギー状態の後には、消耗を補うための低いエネルギー状態が必要…私は勝手にこれを「こころのエネルギー保存の法則」と呼んでおります(^o^)。
しかし、統合失調症の場合これだけではありません。No.231(原始霧)でお話しましたが、統合失調症の発症はじわじわ、ゆっくりと進みます。幻覚や妄想がはっきりする数年前から、何かがこれまでと違って感じられる自我障害がみられ、感情が失われたり、成績が下がったり、人と関わらなくなったりという変化が見られます。つまり、最初に現れる症状は陰性症状であることが多いのです。図で示すとこのようになります。
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最初から最後まで、通奏低音のように流れているのが陰性症状。その上で、病気の極期に顕著に現れるのが陽性症状です。もちろん人によっては若干変わることはありますが、私はこの図が統合失調症の典型的経過だと考えています。
エネルギー保存の法則から考えると、最初に陰性症状にてエネルギーを節約することで、陽性症状のオーバーシュートを可能にする、という考え方もあるかと思います。
では今日の一曲、ここらで一発元気の出る曲を。私が10歳の時のアニメ主題歌の傑作、バビル2世のオープニングをどうぞ。


こちらはエンディングです。こちらも捨てがたいので紹介します。ではまた。

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