横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.414 W学会

横浜院長の柏です。最近あまりブログが書けておりませんがそれには理由がございまして、今月2023年10月は自分的にこれまでになく大変な月となりそうなのです。通院中の方にはぼちぼち申し上げておりますが、今月は2週目3週目と立て続けに学会のため週後半に出かけるので、皆様にはいろいろご不便をおかけすることをお詫びいたします。たまたま私的には10年に一度レベルのデカい学会用件が2週続いてしまい、なかなか大変です。

2週目は環太平洋精神科医会議PRCP2023でシンポジウムを主催するため、クアラルンプール(マレーシア)に出張します。

15ᵗʰ OCT 2022 (SAT)

(↑symposium 4を担当しています)

”The Current State of Clinical Practice and Research on ADHD in Asia”と題したシンポジウムのオーガナイザーとして、現地マラヤ大学のAili Hanim Hashim准教授、昭和大学から英国King’s Collegeに留学中の林若穂先生、女性研究者2名とご一緒しての登壇となります。私自身は、以前日本精神神経学会で発表した、自験例でのADHDとASDとの就労状況データの比較検討、両者での「構造化」のやり方の違いについてお話します。

国際学会での発表は大学時代以来なので超久々でして、留学歴あるとはいえすっかり錆びついた英語力をあわてて鍛え直している最中でございます(泣)。私はシンガポールは訪れたことがあるのですがマレーシアは初めてでして、楽しみではあるのですがあまり時間がないのと、翌週に次の学会を控えていることとであまり楽しめそうにありません(>_<)。

PRCP2023のため、クリニックは12日(木)の私の枠は休診、13日(金)はクリニックごと休診、14日(土)は代診の先生にお願いして診療は行っております。

3週目はNo.400でもお伝えしました、第10回成人発達障害支援学会横浜大会です。地元開催で大会長の洋食、じゃねえや、養殖…ちゃうわ、要職を任されております。

この規模の学会(300名程度)ですとプログラム構成は大会長の独断と偏見がかなり許されるところがございまして(^_^;;、いつもこの分野でお世話になっている身近な知り合いに頼みまくったり、Twitter(現X)で知り合った先生方を集めたりと好き放題(^◇^)させていただきましたが、われながら素晴らしい面々で充実したプログラムになったと自負しております!

学会テーマは「こどもと大人、支援者と当事者をつなぐ」としました。大人の発達障害の分野は、こどもの分野と密接なつながりがあり、最近ではこどもから大人への移行(トランジション)が大きなテーマとなっております。トランジションについては、横浜市総合リハビリテーションセンター(現・横浜市西部療育センター長)の岩佐先生にシンポジウムを組んでもらいました。特別講演でも、同センターで長年活躍された小児精神科医の清水康夫先生にご登壇いただき、小児精神科医の視点でこどもから大人の発達障害についてじっくりお話しいただきます。清水先生は私が研修医時代から大変お世話になった先生でして、特別講演は清水先生しかいない!と無理にお願いした次第です。

支援者と当事者をつなぐ、というのは10回目となるこの学会でしっかり考えるべきテーマと考えて取り上げさせていただきました。シンポジウムでは、「発達障害とスティグマ」という難しいテーマをあえて取り上げました。精神科医、当事者研究者、法律家という三者によるシンポジウム。座長として今後の学会に資するものに仕上げたいと思っています。また、公開講座を「ニューロダイバーシティの視点から『発達障害』を捉え直す」というチャレンジングなタイトルで行います。公開講座は関心のある一般市民をご招待して行う学会の一部プログラムでして、そろそろ定員のようです。ご関心のある方はこちらからご応募下さい。当日参加可能であれば、どなたでも応募できます。ニューロダイバーシティについてはNo.402でお話しましたね。いろいろな発達特性は誰にでもあるものとして捉えようとするニューロダイバーシティの考え方。医師は発達「障害」として診断する=線を引く役回りですが、このダイバーシティの時代にあった考え方とはどういったものになるのか。こちらも座長を務める私も大変楽しみです。実はこちらのメンバーは、No.394でご紹介した「伝説のスペース」のメンバーそのままでして、その点でも大変楽しみにしています。

ほかにも、横浜市の支援体制について、発達障害と親亡き後(本部企画)など注目企画が目白押しです。例年通り、成人ASDのためのショートケア研修会も並行して行われます。成人発達障害支援に関わる方々の幅広い参加をお待ちしております。ぜひこちらからお申し込み下さい。非会員や当事者、家族、学生の枠もございますので、10月21日(土)22日(日)、皆さんと横浜ワールドポーターズでお会いしましょう。

私の外来ですが、準備のため20日(金)午後からお休みとなります。21日はクリニックスタッフ総出で大会運営いたしますので、クリニック自体休診とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

今日の一曲はショパンのエチュードから作品10-4嬰ハ短調です。エチュードの中でも心に残るこの作品、今日はショパンコンクールの映像からご紹介します。最初は2021年優勝者のブルース・リウ

次いで第3位のマルティン・ガルシア・ガルシア

最後は第4位の小林愛実ですが、この映像は前回2015年大会のものです。

どれも素晴らしいですね。ではまた。

コメント