こころの健康アラカルト

何を食べても苦い、味がしない・・・味覚障害の原因とは

秋は食べ物がおいしい季節ですが、中には、おいしいはずの料理がまずいと感じる、味がしない・・・など、食を楽しめないという人もいるかもしれません。
舌には、味覚信号をキャッチする味らいという器官があって、口内環境の影響を受けやすいものです。たとえば、顎下腺、舌下腺などの唾液腺の異常により、唾液の分泌量が減り、口内が乾燥すると、味らいがその影響を受けて、味覚が変化することもあります。そのほか、貧血や妊娠中の場合でも、味らいは影響を受けることがあります。
また、口内が乾燥する原因はさまざまで、目や口や皮膚などの体のさまざまな部位が乾く、シェーグレン症候群や、唾液のコントロールが低下しやすい不安障害の場合もあります。このように、味覚障害になる原因として体の機能。器官の異常の場合、心の病が原因でなる場合とさまざまな真因が考えられます。
まったく味がしない、薄く感じる、何を食べても苦いと感じるなどの症状が1~2週間以上続くようなら、まずは口腔外科や消化器科で受診されることをオススメします。それらの検査で特に問題はないといわれたものの味覚に違和感があり、さらにだるい、落ち込む等の症状がある場合は、うつ病や不安障害などの心の病にかかっている可能性もあります。その場合は、心療内科に相談をしてください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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