福祉用語の基礎知識

コンサルテーション

コンサルテーションの技法は、キャプランによって確立されたと言われています。コンサルテーションとは、「機関・組織ないし個人が他機関、他部門の専門家との相談・協議、あるいは指導を受けること、また逆に専門家がそれらを行うことをいう。ソーシャルワークにおけるコンサルテーションとは、個人やグループ、組織、コミュニティがコンサルタントを依頼して、特殊な問題や実践活動についての助言、あるいは専門的な技術に関する指導、専門的知識に基づく援助を受ける一連の問題解決過程」であります。 さらに、福山和女は、コンサルテーションを「対人援助の専門家が、組織体制や運営、職務や援助業務、援助計画に関する課題や問題などに取り組むために、特定の領域の専門家から新しい情報・知識・技術を習得する過程」としています。
つまり、コンサルテーションは特定の能力を持った専門家からスーパービジョン的な助言を受けることであります。
スーパービジョンと異なる点は、コンサルタントに相談内容の解決責任がないという点です。また、スーパービジョンはスーパーバイジーの問題に関わり助言指導することがあるが、コンサルテーションは、相談内容にのみ焦点を当てて助言をします。あくまでも対等な関係として特定の専門分野の見地から助言をするのです。 コンサルテーションの目的には、援助者の問題解決と援助者が将来出会う問題に予防的に対応できるようにすることであり、コンサルテーションと同様に、個人、グループ、仲間同士、組織単位等で行われます。
コンサルテーションは、医療の現場で他職種との連携やチームアプローチを通して、助言や指導を受けるということにより展開してきたことが多かったが、近年は、様々な他職種、専門職種間で、それぞれの持つ視点や知識、情報、専門技術などを他の職種や専門職、当事者、住民に対してもコンサルテーションが行われています。