横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.335 コロナ不安

横浜院長の柏です。ゼロワンが終わってしまい(泣)、仮面ライダーシリーズは新作の聖刃(セイバー)に代替わり。うーーん、どうもこの路線、苦手なんですよね…キバ、ウィザードあたりと共通して、かな。そして、なんだか内容もライダーも、戦隊ものと区別つかないしなぁ。さらには敵のエライ人、リュウソウジャーのガイソーグそっくりだし。戦隊もキラメイジャー、こちらもちょっと苦手系なので、うーーんニチアサがワタクシ的にはちょっと困った状況となっております(>_<)。 さてシルバーウィーク、皆さんいかがお過ごしでしたか。当院は祭日も診療ですんで私はいつも通り、いや初期救急当番もあったので、むしろいつもより働いてましたな。連休明けにはいきなり発達障害初期研修の講師もあるし。 そんなシルバーウィーク、テレビでは赤レンガ倉庫の様子をやっていましたが、各地とも観光客が多数訪れていたようですね。まあ、ずーーっと自粛ガマンの日々が続き、羽を伸ばしたい気持ちはよく分かりますが、これでまた感染者数が増加し、また自粛の流れが強まり…とハンマー&ダンス、規制を強めたり弱めたり、ワクチンか治療薬ができるまではそうして過ごすしかない、というのは最初からわかっていたこと。われわれにできることは、マスクをして石鹸で手洗い、そして三密状況を回避する、と極めてシンプルです。私などは、地元では通勤時でも緑化活動中(あ、別に植物の世話をしているわけではなく、ingressの活動のことです)でも駅チカ以外ではマスクはしません。2m以上を確保できる状況ではする必要はないと考えられるからです。もちろん、横浜駅からクリニックまでは人が多い状況ですので、必ずマスクをしています。正しい知識に基づき、状況に合わせて可能な対策をする。これが大切ですね。
来院される皆さんにお伺いしても、新型コロナウイルスへの不安、警戒感は人によって様々です。いまだにマスクをせずに来院される方も、だいぶ減りましたがゼロではなく、院内感染リスク、そして待合でマスクをしていない人への不安を訴える方もあることから、当方にてマスク着用をお願いしております。一方で、コロナへの不安が強く、一日中コロナのことが頭から離れないような方もあります。正しい知識を持ち、正しく恐れる。このことの大切さを痛感されられます。
特定の対象への不安・恐怖を主訴とする病気を恐怖症(phobia)と呼びます(No.281参照)。高所恐怖症(私もこれです…みなとみらいの観覧車に乗せられて死にかけました)、先端恐怖症とかゴキブリ恐怖症とかいろいろあるわけですが、いずれも対象がはっきりしています。この対象がはっきりしていない場合は、恐怖よりも「不安」が強いわけで、典型的なものは全般性不安障害と呼ばれ、漠然と、しかしいろいろなことが不安になってしまい日常生活に支障をきたすことになります(精神科領域で「不安」という言葉を使うときは、恐怖まで含めた広い意味の「不安」(対象の有無を問わない)と、恐怖と対立する「不安」(対象がはっきりしない)の場合があり、ちょっとややこしいですね。この文章では後者(狭義の不安)となります)。
ここが今回のコロナ不安の困ったところなのですが、対象は新型コロナウイルスと、ある意味はっきりしているにもかかわらず、いかんせんこのコロナ自体が目に見えず、また新型ウイルスであるがためにその正体がよくわからない。なので、一見対象のはっきりした「恐怖症」であるにも関わらず、対象がはっきりしない「全般性不安障害」に似た状況も重なって出てくることとなります。つまり、怖いのはコロナなんだけど、実際は何もかもが怖くなり、必要な活動もできなくなったり、一日中思い悩むような状態になったりするのです。さらには、状況が長期化すると急性ストレスは慢性ストレスに移行し、生体は防衛本能としてうつ病メカニズムを起動することもあります。ワクチンの実用化、普及は来年以降になると考えられ、事態の長期化に伴うこうした問題が懸念されます。
不安やうつで苦しまないためにも、繰り返しになりますが皆さん正しい知識を持ちましょう。不安の対象をきちんと分析し、自信をもって正しい対応を取れれば不安は減っていくはずです。必要な場所でマスクをする。石鹸で手を洗う。三密状況を避ける。私もこの3つだけをシンプルに意識するようにしています。正しい知識といえば、これもしつこく書かせていただいている子宮頸がん(HPV)ワクチン。こちらも、副反応についての誤った知識が世間のお母さんたちに間違った不安を引き起こした代表例ですよね。ホンマ、正しい知識を持つことは大切です。最近、みんパピという優れた啓発サイトが作られましたのでぜひご覧ください。現在高校1年生の女子は、今月中に接種を開始すれば全回公費負担・無料で受けることができます。そういえばNo.309でもご紹介した、われらが神奈川選挙区選出の参議院議員の三原じゅん子氏。こちらも神奈川、というかわれらが横浜の菅義偉総理のもと、厚生労働副大臣に就任されました。以前よりHPVワクチン普及に精力的に動かれていた三原氏のもと、HPVワクチン接種の安全性・必要性について正しいメッセージを送り、そして多くの若い女性たちが予防できるがん・子宮頸がんで苦しまなくてすむ正しい未来を作っていただきたいと思います。頑張ってください!
真夏から突然の秋の訪れ。みなさん体調にはご注意ください。秋といえばブラームス。ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34をポール・グルダのピアノとハーゲン四重奏団との演奏でどうぞ。ブラームスならではの哀愁漂う名曲ですね。私はこれから、発達障害基礎研修の講師を務めに出かけます。皆さんもよい一日を。

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