精神保健福祉便り

精神保健福祉便り No.024 『シンプル・シモン』

こんにちは。ハートクリニック横浜のソーシャルワーカーです。
 暖かい日が続いていますね。半袖の患者さまも見かける今日この頃です。そんな新緑の季節にはアウトドア!といきたいところですが、インドアな私はひっそり公開されているミニシアター映画を観てきました。今日はその映画のお話をさせていただきたいと思います。
『シンプル・シモン』
fukushi024_a.jpg主人公のシモンはアスペルガー症候群の青年です。そのシモンが失恋したお兄ちゃんのために新たな恋人候補を探し始めるという素敵なお話です。
シモンの生活はとても興味深く、この映画ではそれを分かりやすく表現しています。例えば、シモンの部屋には一週間のスケジュールボードがあり、1分刻みで非常に正確に日課が書かれています。また、丸い物が好きで、食事はすべて丸い物しか食べないという徹底したこだわり(美学と言った方が正しいかもしれません)があります。人間の感情は「喜怒哀楽のマーク」と照合して識別するという、まさにコンピューターな才能の持ち主です。一番驚いたのは、シモンはいつも「私はアスペルガー症候群です、僕に触らないで」という缶バッチをつけているということです。障害をオープンにした上でのシモン流の自己防衛策に感心したのでした。
fukushi024_b.jpgようやく見つけた恋人候補のイエニファーは天真爛漫な自由な女性。シモンのことも特別視せず、まるごと受け入れます。ずっと面倒を見てきたお兄ちゃんはシモンを心配するあまり、障害ゆえ出来ないことばかりに注目してしまうのですが、イエニファーはシモンの良さや愛らしさを必死に語ります。そんな姿に感動し、イエニファーのような人が増えることを心より思うのでした。それは私も日頃、発達障害の方々とお会いする中で同じように思うからです。この映画を通じて、多くの方がこのシモンの「愛らしさ」を感じてくれるといいなと思います。ぜひ観てみてください!

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