横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.108 VIRUS

横浜院長の柏です。エボラ出血熱がニュースになっていますね。私が医学生の時にも習った古い病気ですが、治療法がないとされる感染症だけに、こうして広がりを見せると脅威を感じますね。接触感染しかしないウイルスですから、パンデミック(世界的大流行)となる前にしっかりと封じ込めてほしいですね。
ウイルス・パンデミックの脅威を描いた映画に「アウトブレイク」があります。謎の致死性ウイルスをテーマにした’95制作のパニック映画ですが、実はそれより15年も前に、わが国で史上最高のウイルス映画が作られています。タイトルは”VIRUS”(ヴァイラス、と読みますがウイルスのことです)、邦題は「復活の日」です。
今は精神科医となっている私ですが、学生時代にもう一つの道として考えていたのがウイルスハンターでした。姿の見えない敵との戦いに魅せられ、学生時代には白金(当時は古くさい町でした。この間久々に訪れてオサレ具合にあんぐり@_@)にある医科学研究所に通い詰め、サルのエイズウイルスの研究に没頭しておりました。’84頃ですので、日本で一番最初のエイズ研究者の一人だったはずですよ。その後、クラスメートに誘われて(だまされて?)精神医学教室で研究のお手伝いをするようになったのが運の尽きでした。道が違っていたら、今頃シエラレオネにいたかも知れない・・・などと妄想してしまいます。
さて、’80公開の「復活の日」、高校3年の時に映画館へ見に行きましたね。大学生になってからもリバイバルを見に行きました。角川が25億円をかけ、世界初の南極ロケを敢行した大作です。映画界の評価は必ずしも高くないようですが、不朽の名作です!生物兵器開発過程で作られた人工ウイルスMM-88。持ち出したスパイの航空機が墜落・・・パンデミック・・・かろうじて南極で生き残った人類は・・・。素晴らしい着想と展開ですね。小松左京、原作はなんと’64、前回の東京オリンピックの年です。私はまだ1歳(汗)。SF界でもマイケル・クライトン(こちらも大好きで、著作はみなペーパーバックで読みました)のはるかに先を行っている大天才ですね。
hitori108-a.jpg私がウイルスに魅せられた最初は、この原作でした。私が今でも大事に持っているこの本は’75の文庫初版本なので、読んだのは中学生の頃でしょうかね。また読み返してみようかな。


今日の一曲は、もちろん”You Are Love”、歌はジャニス・イアン。この映画の主題歌です。素晴らしい曲ですね。この曲を含む感動のラストシーンはこちら(ネタバレ注意)。
柏はこのあと18日(月)まで夏休みをいただきます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。クリニックは平常通り診察を行っております。

コメント

  1. ピーコちゃん より:

    草刈正雄さんの大ファンだったので「復活の日」は、パンフレットも持っていますし、もちろんDVDも持っています。あの時代の角川はすごかったのでキャスティングが豪華でしたね。
    小松左京さんは「日本沈没」など、かなりブームになりましたよね。小学生でしたけど覚えてます。
    先生、ゆっくり休んでください。

  2. パバゲーナ より:

    残暑お見舞い申し上げます。
    割れそうに寒そうな極地を背景に、ジャニス・イアンの名曲を拝聴し、思いがけず、涼を得ることができました(笑)
    “アウトブレイク”、私はビデオレンタルして自宅で観ましたが、本当にコワかったですぅ~(T.T;)。劇場に行って観なくてヨカッタ。。。とホッとしたほどです。
    今、エボラ出血熱が西アフリカでアウトブレイクしてしまい、医療者の方々が宇宙服然の防護服で、治療・封じ込めに奔走されていらっしゃっるニュースなどを見て毎日胸が痛みます。医療のお仕事は唯でさえ“命懸け”な事が多いのに、まるでポーの“赤死病”のようなウイルスと闘われている方々を支える使命感とは。。。言葉で言い表せない決意の程かと拝察いたします。
    今回初めて、現場に入っていらした白人の宣教師の方が感染死されたという報道があうりましたが、宣教師の方を母国へ搬送する棺がまるで、SF映画に出てきそうな物凄い近未来的な棺で、それだけでこのウイルスの恐ろしさが察せられるほどでした。
    また、オソロシイといえば、若き日、柏先生が通い詰められたという、白金の東大医科学研究所の佇まい。。。いつ見てもとてもコワイです~(^^;) 一昔前に比べて、更に老朽化が進み凄味がでてきたのではないでしょうか。最後に見たのは二年ほど前でしたが、その間に少しずつリニューアルされていることを祈っております。
    本当に、あの佇まい、どうにかならないですかねェ。。。(苦笑)

  3. まねきねこ より:

    映画「日本沈没」は、私的には草薙君版の方が好きです。レスキュー隊員の柴咲コウがすてきでした。
     お薬のことでお聞きしたいのですが、例えばパキシルを服用していたころは、寝る前にまとめて飲む形でしたが、バルブロ酸やテグレトールは一日に何回かに分けて飲むようになっています。分けて飲むのは、血中濃度を保つという事なのでしょうか?一回服用すると、何時間くらい持つのでしょうか?また、パキシルがセロトニンを増やしていくように、テグレトールも、継続して服用することにより、脳の興奮が落ち着いてくるようになるのでしょうか?飲んでいても対症的なもののように思え、根治的ではないのではないかと思ってしまいます。

  4. 横浜院長 より:

    ピーコちゃん
    パンフもお持ちとはすごい!今度見せて下さい!
    はい、ゆっくり休ませていただきました。ありがとうございました。
    パパゲーナさん
    医科研、実は長らくご無沙汰しておりまして、もうきれいな建物になっているものとばかり思っていたのですがまだ古いんですかね?本郷の大学、大学病院はすっかり綺麗になりまして、精神科医局、病棟の入る赤煉瓦の建物もいよいよ取り壊されるみたいですが。
    まねきねこさん
    くすりをのむ回数ですが、血中半減期というものがありまして、それが長い薬は一日一回、短いと一日2回〜4回のむ必要が生じます。バルプロ酸はもとは一日3回ですが、徐放剤(デパケンR、セレニカRなど”R”のつくもの」はゆっくり吸収されるので一日1回でも大丈夫です。
    現在使われている精神科の薬は、どれも対症的なものです。しかし、対症的であっても安定した脳の状態を作ることができ、それをしばらく(半年〜1年)続けることができればそれが本来の状態になってきます。対症療法ではだめ、ではないのが精神科治療の難しいところでもあり、期待できるところでもあるのです。