横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.152 荷物はみんなで

横浜院長の柏です。9月になりましたので、夏休みモードは一掃してうつ病のお話しに戻りましょう。ずいぶん長い話になってしまっているのですが、「治る」とはどういうことか、というのがメインテーマでして、その中で『「くすりをのまないこと」が治ることである』という結構多い回答に対する私の考えを書いている途中だったのですね。No.143からこのお話しは始まっており、

「くすりをのむ度に、病気のことを思い出してつらい」
「普通の人はのまずにやっているんだから」
「くすりは(化学物質だから)体によくない」

というところまでのお答えを書いたところでした。今日は後半の話に移りましょう。

「家族(友人、恋人なども)がのまない方がいいと言う」
「副作用がつらい」
「面倒くさい」
「のむのを忘れてしまう」

というのが、残ったテーマですね。
「家族(友人、恋人なども)がのまない方がいいと言う」
これも精神科あるある、のひとつと言えるでしょうね。うつ病になられた方には、十分な休養と薬物療法を柱とする十分な治療が必要です。うつ病についてはずいぶん啓発活動がされて、以前と比べると家族や職場の理解も得やすくなってきているのは事実ですが、それでもNo.148で書いたように、くすりは体によくないから早くやめなさい、おくすりまだ減らないの?などと毎日声をかけるご家族もいらっしゃるのが現実です。ご本人が「病者の役割」(No.140参照)を果たすためにも、大切な人が病気について正しく理解して、一日も早くご本人が元気になるためにくすりについて、うつ病について正しい知識を持っていただくことが大切です。そのためにはぜひ一度、大切な方と一緒に受診して下さい。われわれは、大切な方にもきちんと病気の説明をいたします。それにはある程度十分な時間が必要ですので、予約の調整のためあらかじめこの日にいらっしゃると伝えていただけますとスムーズです。どうしてもご来院が難しい場合、書籍やこのブログ(^_^;など読んでいただくのもひとつのやり方かと思います。
とにかく、治療にあたっては味方が多いにこしたことはありません。荷物は、一人で背負うより皆で背負ったほうがずっと軽く感じるものですよ。
さて、こちらもご無沙汰ですが今日の一曲コーナーも再開しましょう。王道ということで、ベートーヴェンの交響曲です。9曲ありますが、皆さんは何番がお好きですか?私は7番です!・・・というと、「のだめ」かぶれですね?と指摘されそうでイヤなのですが、私は小学生の頃から7番が好きでした(ただの変態少年(^_^; ) その頃、NHKで見たカラヤンの演奏にしびれたのが原体験ですね。白黒でしたが、目を閉じたままのカラヤンの表情が強く印象に残っています。その映像は見つからないので、もっと新しいと思われる演奏でどうぞ。

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