横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.183 100%勇気

hitorigoto-183a.jpg横浜院長の柏です。ちょっと前ですが、ingressのブックカバー(多重マークが見えますね)に惹かれて丸善で衝動買い(大好きなダン・ブラウンです)。しかし・・・読む時間なくいきなり積ん読状態です(^_^;;。
さて、今日は認知行動療法(CBT)の後半、行動療法についてお話しましょう。行動というと、認知や感情の結果と考えられがちだと思います。ものを考えたり感じたりした結果が、行動として表れる。それはその通りなのですが、実はそこで終わりではなく、その行動が今度は次の感情、認知に影響を与えます。
「やってみなきゃわからない」「まず行動」とはよく言われますよね。皆さんも、いろいろ考えたけど、結局はやってみた方が早かった、という経験はあるはずです。人間の考えること(認知)なんて所詮そんなもの。認知も感情も脳内作業ですから、バーチャルといえばバーチャル。リアルワールドに属する行動にはかなわないものです。野球でも、本を読んで打撃理論を極めるのもいいですが、試合にたくさん出て、たくさんの投手と対戦するほうが打撃上達には早道でしょう。脳だけではなく、体で覚えること。これが大切です。「中枢は末梢の奴隷である」という養老先生の名言が思い出されますね。
いざやってみたら、最初のイメージとは違っていた・・・よくあることですが、これこそが行動療法のポイントです。その行動療法が一番役に立つのは、不安障害です。例えば、パニック発作が怖くて電車に乗れない人(広場恐怖を伴うパニック障害)。それをしないと悪いことがおこるんじゃないかと思い、おかしいと思いながらもその行動(儀式行為)を繰り返してしまう人(強迫性障害)。○○したら、△△になってしまうんじゃないか。だからその行動をする(あるいは、しない)。このパターンには、行動療法が効果的です。
「○○したら、△△になる」ことを心配している場合を考えてみましょう。この心配を解くにはどうしたらいいでしょうか。本当は、「○○しても、△△にはならない」というのが正しいわけです。ではどうすれば、こちらが正しいということが言えるでしょうか・・・そうです。やってみるしかないんです。やらない限りは、永遠に「やったが大丈夫だった」という真実には至らないのです。こうしたことを不安が強いなか冷静に理解し、勇気をもって行動することで不安が杞憂であったことに思い至り、そして不安が解消する。これが行動療法のプロセスです。(No.023あたりもご参照下さい。)
でもそうは言っても、強い不安のなか行動を起こすには、清水の舞台から飛び降りるような覚悟が必要です。そのため、不安を階層化して軽い不安から徐々に行動に移していく、行動を起こせるために薬物療法にて不安を一時的に軽減する、といったことも合わせて行うことになります。
いずれにしても、不安障害の治療では、どこかの段階で「勇気をもって」行動の第一歩を踏み出すことがどうしても必要です。当院では、不安の集団認知行動療法などにてこのお手伝いをしています。ということで、今日の一曲は忍たま乱太郎から「100%勇気」です。どうぞ皆さんも勇気を持てますように!

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