こころの健康アラカルト

子どもの反抗期に困惑

「中学2年生の息子を持つ親です。外では良い子なのですが、家では半年以上も荒れて困っています。」こんな相談がありました。
思春期の男の子なので、あまり心配する必要はないと思います。
この年頃の男性は、親に頼っているのに攻撃をしてしまうものです。男性ホルモンの分泌が急激に行われることがあるため、ピリピリ、イライラしており、親だけでなく誰であれ、会話がスムーズに出来ないことが見受けられます。
口論の末、扉を強く閉め自分の部屋に引きこもるという状態であれば、まずは大丈夫と考えられます。安全な場所に逃げているのです。この場合親は、そっとしておくことが大切。そして落ち着いた時に話し合う。 タイミングが重要です。 心の病気との関連性で言えば、見分けるポイントの一つとして、親に手を上げるかどうかがあります。
自分の部屋などに逃げ込まずに暴力を振るう場合は、背後に発達障害などが隠れているケースもあります。その他にも、適応障害、うつ病、中学2年生の男子が発症のピークである統合失調症、また女の子に多い境界性パーソナリティ障害なども疑われます。
子どもを追い詰めることはご法度です。そうすると暴力的な反撃となる可能性があり、病気でもないのに病気と疑われたり、またそこから病気になってしまうケースもあります。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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